ハーブを学ぶ!

あなたはいくつ答えられましたか?

 
━━━問題1 次の中でメデイカルハーブと呼ばれるものに○をつけてください。
      a ラベンダー  b ゴボウ c タンポポ d シナモン
 
   答え a,b,c,d (全て)

  •  ハーブとは英語の”herb”の日本語読みです。英語の”herb”は、草を意味する言葉であるラテン語の”エルバ”に由来しています。

  • 一般的には「香りがあり」、「薬効があり」、「暮らしに役立つ」植物の総称です。

  •  日本では香りのある外来植物である”ラベンダー”など特別な植物がハーブとしてイメージされていますが、上記一般的な定義によれば、野菜やスパイス、野草も全てハーブということになります。(多少の違いはありますが、香りがあり、薬効があり、暮らしに役立つ植物である。)上記植物は全て、ハーブテイーとして利用されています。

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━━━問題2 ハーブの種類はどのくらいあるでしょう?
      a 100種類   b 1000種類    c 3000種類
      
      答え c
 

  •  先に述べたように、ハーブの定義は非常に一般的で曖昧なので、人によってそれぞれかなり違いますが、3000種類程度と書かれている書籍が多いようです。一説では人が利用している植物は約2万種程度あるそうです。ちなみに、地球上に生存している植物は約30万種程度と言われています。

  •  一般にハーブテイーなどで日本で販売されている植物は約100種類程度です。

 
━━━問題3 ハーブはいつごろから使われてきたのでしょうか?
      a 5000年前  b1000年前  c100年前 
     
      答え a
 

  •  ハーブの歴史は人類の歴史といってもよいくらい古くから使われてきたと考えられています。今から5000年前の古代エジプトで作られた”パピルス文書”にすでにその記述が残っています。

 
━━━問題4 ハーブという言葉が日本で使われるようになったのはいつごろで
   しょう。
 
               a 江戸時代  b明治時代  c 戦後になってから 
     
     答え c
 

  •  日本でも薬草の歴史は古く、奈良時代には本草書(薬草の本)が作られています。しかし、ハーブという言葉が一般的に広まったのは意外と最近で、戦後1980年代〜からです。

ハーブの定義

 
 

━━━”ハーブ”の定義


  •  ハーブ(Herb)の語源は、ラテン語で草を意味するHerba(ヘルバ)に由来しています。Herbという言葉にはいくつもの定義があります。Weblioの英和辞書に”Herb)と入れると、薬用植物、薬草、香草、ハーブ、(花が咲いた後、根以外は枯れる)草、草本、マリファナなどとの訳が出てきます。

  •  植物学者や園芸家は、「ハーブとは、小さい、種子をつける植物で、本来どちらかといえば木本性よりむ”Herbaseous”という言葉が語源)である。」と定義するでしょう。料理研究家なら、「香草、香味野菜。料理などに香りを与えたり,味を調える目的で使用する植物である。」と定義するでしょう。ハーブ療法家なら、「薬草、健康や美容に役立つ植物」とするかもしれません。

  •  それぞれの立場により幾つかの定義がありますが、より一般的に言えば、「ヒトの暮らしに役立つ、特に健康維持に役立つ特性を持つ植物の総称」ということになるでしょう。日本大百科全書(ニッポニカ)では以下のように解説しています。

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    『それぞれが個性あふれる香りをもち、花、茎、葉、種子、根などが、薬品、食品、染料その他さまざまな用途に用いられ、美容や家事に至るまで人々の生活に役だち、うるおいを与えてくれる有用植物の総称。特有の香りをもつものが多いので香草と訳されるが、香りの強いものばかりとは限らない。ここでは、植物に含まれる成分が生活に役だち有効に利用できるものであれば、ゴボウやニンジンのような一部の野菜も含めてハーブとして扱う。』

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ハーブの歴史


 
 
 
 
━━━古代から中世のハーブ栽培の歴史

  •  ハーブ栽培の歴史は民族や文明の歴史の横糸です。太古から人々は食料、薬、織物や他の原料として野生植物を利用し、栽培してきました。薬草の多くは同時に食用、油用、織物用の植物でもあり、いつの時代にも様々な目的のために作られてきました。

  •  もっとも古いハーブ園は約4000年前にエジプトで生まれたとされています。それは神殿で、日々の儀式や礼拝のために必要なハーブや神聖な花が栽培されていました。中世のキリスト教の修道院では、野菜、果物、ぶどう、ハーブ、染料植物、芳香植物などの様々な植物が植えられており、現代のハーブ庭園の原型とされています。

 
 
━━━大航海時代のハーブの拡大
 

  •   15〜16世紀の大航海時代を迎えると、東西の交流が盛んになり、コロンブスらによる新大陸への到達は、ジャガイモのような作物を始め、トウガラシやタバコをはじめ多くのハーブがヨーロッパへもたらされました。また、東洋への海上ルートが開けたことにより、スパイスや香料をはじめ世界各地のさまざまなハーブの用途や利用が拡大しました。

  •  ハーバリストと呼ばれる植物療法の専門家が活躍したのもこのころで、とくにイギリスのターナー、カルペッパー、ジェラード、パーキンソンなどが有名です。

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━━━近代薬学とハーブ

 

  •  植物療法が医学の中心であった時代は19世紀の初頭まで続きます。19世紀に入ると、科学や生理学が発達し、体系化された近代薬学が始まります。ハーブの有効成分の多くが化学的に合成されるようになり、化学薬品が誕生します。例えば、頭痛薬として有名なアスピリンは、鎮痛薬として利用されていたメドースイートというハーブから抽出されたサリシンという成分を化学的に合成したものです。

  •  一方ハーブの利用は民間療法として家庭の中で引き継がれていきます。

 
━━━現代のハーブ利用
 

  •  ハーブへの関心が世界的に高まるようになったきっかけは、1960年代に始まったヒューマンポテンシャル運動です。ベトナム戦争反対をきっかけに、ヒッピーたちを中心に「自然に帰れ」と提唱され、人間本来の自然な生活を見直す機運が世界的に広まっていきます。こうした流れの中で、日本でも「健康ブーム」が起こり、「ハーブ」という言葉も一般的になっていきます。今後、高齢化社会を迎えるにあたって、健康的な生活への関心の高まりより、「ハーブ」の利用もますます増加していくでしょう。

ハーブの利用

 
 

━━━”ハーブ”の利用方法

 ハーブは強い芳香を放つ、葉の茂った小さな緑色の植物と思われがちですが、実際使用されているハーブは驚くほど種類が多く、巨大な熱帯雨林の大木から海藻やキノコまで多岐にわたり数千種類とも言われています。さらに使用目的も多岐にわたっています。以下はその代表的な利用方法です。
 

  • ①   Cooking : 食料品 料理 スパイス

    ②   Drinks  : 飲料  ハーブテイー コーデイアル

    ③   Health   : 医療、健康  メデイカルハーブ

    ④   Cosmetic 美容、化粧品 エステテイック

    ⑤   Perfume : 香料 香水  ポプリ

    ⑥   Dyeing   :染料 染色  

    ⑦   Artcraft  :工芸 リース フラワーアレンジ

    ⑧   Caltivatting :栽培 ガーデニング

    ⑨   Selting   :儀式 宗教儀式 瞑想

        

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━━━”ハーブ”の利用部位

 ハーブは使用目的により使用する部位もまた様々です。ハーブ辞典を見ればその利用部位が記載されています。同じハーブでも部位によって全く性質の違うことがあるので注意が必要です。その性質をよく確認して使用しましょう。